in the flight





クリスマス










クリスマス。五代目に頼み込んで休みを貰った。
滅多にこんな事を頼まない僕だから、渋々ではあったけど
無事に先輩と僕は休める事になった。

先輩の為に、ローストビーフを焼いて
チキンも用意して、クリスマスケーキも用意して
準備万端の状態で、夕方に先輩が訪ねてくるのを待つ。

クリスマスだなんだ、理由を付けて
先輩といちゃいちゃできるんだから
こういうイベントはいいなと思う。

それに付き合い初めたばかりの僕達は、まだキスしか
した事が無かった。僕も先輩も、男と付き合う事が初めてだったから
なかなか進展しそうに無かったんだけど、
イブの今日。先輩を抱けたらいいなぁなんて、下心を持っていた。


   *  *


部屋の隅に、クリスマスツリーも用意して
飾り付けが終えた頃に、酒の瓶を抱えて先輩がやってきた。

「テンゾウ、メリークリスマス!」

部屋に入るなり、両手に酒が入った袋を持ったまま
僕の胸に飛び込んでくるもんだから、
僕は先輩をぎゅっと抱きとめた。

「あはは。先輩、どうしたんですか」
「テンゾウが休み取ってくれたんでしょ?俺、知らなくて」

そう言って体を起こし、僕の顔をじっと見る目は
とても嬉しそうだった。

「ええ。だって、こんな日に任務だなんて嫌でしょう?」
「うん。みんながイチャイチャしてる時に任務だとか嫌だ」
「今日はゆっくり過ごしましょうね。
 食事の用意も出来てるんで、中、入って下さい」


    *


「うわっ!豪華〜!」

先輩が部屋に入るなりそう言って、後ろから僕に抱きつく。
カランとお酒の瓶の音。

「二日がかりで用意したんですよ。
 先輩、甘いもの好きじゃないですけど、ケーキもありますから」
「ん。嬉しい」

そう言って、後ろから僕の頬にキスをした。

「テンゾウ、大好き」
「僕も、先輩が大好きですよ」

向き合って、ぎゅっと抱きしめあってから
食事の用意が出来たテーブルに、先輩に座ってもらう。


先輩の持って来たワインを開けて、食事を始めた。
僕の作ったものを、おいしいって満面の笑みを浮かべながら
ぱくぱく食べてくれて、その顔を見ているだけで
僕は胸がいっぱいになった。

そして最後のクリスマスケーキを食べてる時、
先輩が思い出したように言う。

「このあと、プレゼント渡すね」
「あっ!」
「何?」
「僕・・・クリスマスプレゼントの事、すっかり忘れてました・・」

準備に追われて、一番大切なプレゼントを買い忘れるなんて。
どうしよう、先輩がっかりしないかな。
僕が心配していると、先輩はクスッと笑った。

「後でもらうから、いーよ」

「?」

僕が不思議そうな顔をしていると、先輩が立ち上がって
座ってる僕の隣に立った。そして、僕の腕をぎゅっと掴む。

「どうしたんですか?」
「んと・・・クリスマスプレゼント、あげるから」

そう言って、僕を引っ張った。


言われるがまま、立ち上がって先輩に連れられたのは僕の寝室。
先輩のプレゼントの意味が分かって、心臓が飛び出しそうになった。

「・・・ほら、俺たち・・・まだ、でしょ?だから・・・」

言いにくそうにそう言って、俯いた先輩を力一杯に抱きしめる。
僕も僕で、今日チャンスがあったら・・・と思っていたから、
先輩もそう思ってくれていたなんて知って、すごく嬉しかった。

「嬉しいです、先輩」

そう言って、僕は先輩の潤ったような唇に自分の唇を合わせ
深くくちづけをした。
舌を絡ませあいながら、互いの服を脱がしあう。

熱い先輩の体が気持ちよくて、指先をその体に這わせると
くちづけている唇から、溜め息が漏れた。
いつになく甘い声に、僕のものはすでに硬くなっている。

「先輩、いいんですか?」
「うん。俺・・・テンゾウが欲しい」

そう言った先輩の首筋に、唇を落として、首から肩、鎖骨へと舌を這わした。

「…っ、ん…っ」

悶えるように体を動かして、僕の手をぎゅっと握った。
僕はその手を握り返して、胸にある突起物を口に含む。
優しく転がすように何度も舐めてから、吸い付くとみるみるうちに固くなった。

「あ・・」

僕の手を痛いくらいに強く握って、可愛い声を出す先輩。
顔を下腹部に移動させると、もうはち切れそうな程に硬くなったものがあって、
濡れながらひくひく動いている。

「やっ…テンゾウ、いいっ!やだ!」

繋いでる手を引っ張って、先輩はそう言う。
見れば、頬が紅潮して体もピンク色になっていた。

「先輩の、舐めたい。いいですよね?」

先輩の返事を待たないで、その先端部分を音を立ててくわえた。

「ふあっ…」

舌でこねるようにしながら、先端を濡らしている液体を味わう。
音を立てながら、その部分だけを出したり入れたりすると、
先輩の強張っていた体の力が抜けて、こちらまでとろけてしまいそうな声を出した。

「先輩、きもちいい?」
「ふうっ…ん、気持ちいい、テンゾウっ」

もっと気持ちよくしてあげたい。
そう思った僕は、先輩のものを喉の奥までくわえこんで、上下に動かした。

「っあっ…っ」

その熱いものの感触を味わいながら、動かすスピードを早める。

「あっ……駄目、テンゾウ…出るっ」

そう言って腰を引いたけど、僕は離さず根元までくわえた。
そして、僕の口の中に射精した。どろりと濃い液体を、飲み込む。

先輩は肩で大きく息をしながら、ぐったりと枕に頭を沈めて僕を見ている。

「先輩、かわいいですよ・・・。でも、もっと気持ちよくしてあげたい」

驚いて目を見開く先輩の両足をもちあげて、かわいい穴をあらわにした。

「ちょっ…待って!やっ…」

じたばたと動く足を押さえながら、その入口に唇を押し当てた。

「っ…!」

瞬間に入口が引き締まって、緊張しているのが分かった。

「恥ずかしい…、テンゾウ」

腕で顔を覆いながらそう言った先輩には構わずに舌で入口をなぞる。
くちゅくちゅと唾液を押し込むように、ゆっくりと舌を押し進めて行く。
恥ずかしそうにしていた先輩が、段々と気持ちよくなってきたらしく、
また甘い声を出し始めた。
硬く締まっていた入り口が、僕の舌をすんなりと飲み始めた頃に
そっと、指を一本差し込んでみる。

「っ・・・あっ・・」
「痛いですか?」

僕がそう聞くと、ふるふると首を横に振った。

「なんか・・・変な、感じ」

素直に感想を述べる先輩が可愛くて、僕は微笑む。

「すぐに、気持ちよくなりますから・・」

そう言って、ゆっくりと指の腹で入り口から押し開けるように
中の方へと潜り込ませていく。

「ぅっ・・・あ、あ・・」
「先輩、奥まで入りましたよ」

奥まで咥えこませた中指を、すっと引き抜いてまた差し込むという事を
繰り返すと、まだ溜め息まじりだった声が、艶のある声になって喘ぐ。
さっき射精したばかりの先輩のモノが、また大きくなって、とろとろになっていた。

「気持ちいいですか?」
「あぁっ・・あ、あっ・・・テンゾウ、もっとっ・・・」
「・・・もっと?」
「んっ・・・もっと、気持ちよく、してっ」

枕の端をぎゅっと掴んで喘ぐ先輩は、とても色っぽくて
誘うような事を言われ、僕は目の前がくらくらしてしまう。

「じゃあ、ここは・・・?」
「あっ、ああっ・・・っ!テンゾ・・・駄目、出ちゃう!」

前立腺がある辺りを擦ってやると、先輩は大きく喘いで あっという間に達してしまった。
先輩の腹の上に、どろりとした精液が飛び散る。

「もっ・・・駄目、俺おかしくなりそう」

息を乱しながらそう言って、僕を見上げた。 その目はもう焦点があまりあってないようだった。

「先輩、挿れてもいいですか?」 「うん・・・テンゾウの事、好きだから、いいよ」

恥ずかしそうにそう言って、目を閉じた。

「でも・・・痛かったら言って下さい。
 無理はしないですから・・・」

僕は先輩の腹の上に散っている精液を自分のモノに絡めて
赤く腫上がっている先輩の入り口に、先端部分を押し当てた。
もうすでに我慢の限界だった僕のモノは、とても敏感で
先輩の入り口に押し当てただけで、体中に熱が回る。

その快感に引き寄せられて、ヌプリと音を立てて
先端だけを押し込んでみると、やはりキツくて先輩は痛そうに顔を歪めた。

「・・・痛い、ですか?」

キツくても、僕は気持ちいい。でも先輩が痛いんだったら、
無理にこれ以上・・・。

「痛くない・・・もん」

意地を張ったような顔で、そう訴える先輩がとてもいじらしくて
気が緩んでしまう。

「我慢しなくていいですからね。
 僕は・・・十分、かわいい先輩を見せてもらえたから満足してます」

そう言うと、顔を真っ赤にして僕を睨んだ。

「なんか・・・弱み握られたみたいで嫌なんだけど」
「僕にだったら、いいでしょう?」

僕は体を折り曲げて、先輩の体を抱きしめた。
ほんの少しだけ繋がっている部分が、とても熱くて
押し進めたい欲望を、なんとか堪える。

「でも・・・やっぱり挿れて?テンゾウが欲しい。
 クリスマスのプレゼントお預けとか、嫌だ」

そう言った先輩が、僕の背中にぎゅっと腕を回してしがみついてきた。
痛い思いさせてまで、挿れたくなんか無いんだけど・・・
先輩がそれでもいいって言うのなら。

「わかりました。・・・じゃあ、力を抜いて下さい」

先輩を抱きしめながら、あやすように髪を撫でてあげる。

「・・・うん」

素直に小さく頷いて、ふっと力が抜けたから
僕はぐっと、中に押し込んだ。

「っく・・・」
「もうちょっと、力抜けないですか」
「む、無理っ!痛い・・・!」 「緊張しなくて、大丈夫ですから・・・」

僕は痛みを堪えている先輩の唇に自分の唇を重ねて 優しくキスをした。
先輩の中は熱くて、やっとひとつになれたと思うと嬉しい。


「テンゾウ、動いていいよ」
「え・・・でも」
「お願い」

僕は先輩に言われるがまま、ゆっくりと腰を動かした。

「先輩、痛くない?」
「っ・・・平気・・・。テンゾウの・・熱い」
「先輩の中もすごく熱くて・・・気持ちいいです」

位置を変えながら、挿れたり出したりをしていると
先輩が、溜め息を漏らした。

「あっ・・あぁ・・」
「・・ここがイイんですか?」
「ふぅっ・・っ、気持ちいい・・・テンゾウっ」

その先輩が気持ちいいと言う所を、擦り上げるように出し入れをした。

「はああっ、あっ、ああぁ・・・」

先輩は僕の背中にぎゅっとしがみついて、
あられもない声を上げた。
そんな声を聞いた僕は、欲望を我慢できなくなってきて
先輩を抱えるように抱きしめながら、何度も腰を打ち付けた。

「テンゾウっ・・・気持ちいいっ・・」
「先輩、僕もう・・・」

僕はもう我慢の限界で、激しく腰を動かした。

「ああっ、あっ、も、イク・・・」
「先輩、僕も・・」

そしてほぼ同時に絶頂を迎えた。先輩の中に、どろどろとした
僕の精液を全て出し切って、そっと抜き取ると、僕の白濁した精液に
血が混じったものが少し垂れる。

「ごめんなさい、先輩・・・血が」

僕がそう言うと、手を伸ばして僕をベッドに引き戻した。
そして、僕の胸にぎゅっとしがみつく。

「そんなの、後でいいから・・・抱きしめて」

まだ余韻の残る、とろけたような目つきで僕を見た。

「・・・はい」

僕はその肩を優しく抱きしめた。

「先輩、プレゼント・・・嬉しかったです」
「・・うん。でも、ごめんね。俺、初めてだったから・・・」
「いえ、すごく嬉しかったですよ。先輩の初めてが僕だなんて、
 夢みたい。・・・かわいかった」
「俺も、初めてがお前でよかった。・・・気持ちよかった」

恥ずかしそうに小さい声で話す先輩が、かわいくて堪らない。

「・・・あ」

突然先輩が、体を震わせて固まる。

「どうしたんです?」

心配に思い、顔を覗き込むと顔を真っ赤にしていた。

「・・・う・・・、出て、きたみたい」
「ふふ。きれいにしてあげますね」
「えっ!やっ、そんなの自分でする・・・!恥ずかしい!」
「今更、恥ずかしがらなくてもいいですよ。さっきまで散々舐めたり・・」
「ばっ!馬鹿・・・言うな」

ますます顔を赤くした先輩に、かわいいと思いながら微笑んで
浴室にお湯とタオルを取りに行って部屋に戻ると、
先輩は静かな寝息を立てて眠っていた。

「ふぅ・・・」

まぁ・・・あれだけ出したら疲れるよな。そう思いながら、
僕は事後処理を済ませ、うずくまるようにして眠る先輩に寄り添って目を閉じた。

僕と先輩だけの、特別なクリスマスプレゼント。
先輩は喜んでくれたのかな。






久しぶりにエチシーン書いて消耗しました。しかも、消耗した割にはエロくなかったです。(汗)
読んで頂いてありがとうございました。^^